中信勤労者医療協会は、1973年の設立以来「いつでも どこでも だれもが安心してかかれる医療」をめざし「お金のあるなしで命を差別しない」姿勢をつらぬいてきました。
「無料低額診療制度」は、社会福祉法にもとづき、生活困難な方が、経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されないよう、無料または低額で医療を行う制度です。
また、この制度を通して様々な社会保障制度を活用する事で、健康と生活の両面での回復をめざします。
「無料低額診療制度」には適用基準があります。
しかし、適用とならなかった場合でも、医療費の支払いのほか、当面の生活などについて、ご一緒に打開の道をさがすご相談に応じています。
他の公的な社会保障制度の適用が可能な場合は、その手続きをお勧めする事もあります。
入院 | 外来 | ||||
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件数 | 減免額 | 件数 | 減免額 | 減免額合計 | |
2017年度 | 2 | ¥116,367 | 5 | ¥103,555 | ¥219,922 |
2018年度 | 8 | ¥320,176 | 25 | ¥255,150 | ¥574,034 |
2019年度 | 6 | ¥290,340 | 55 | ¥436,860 | ¥727,200 |
2020年度 | 17 | ¥713,327 | 32 | ¥365,280 | ¥1,078,607 |
2021年度 | 63 | ¥3,308,329 | 202 | ¥1,638,960 | ¥5,162,588 |
相談事例の一部をご紹介します。
70歳代の独居男性の事例です。
2020年春頃まで生活保護を受給されていましたが、年金額が上がった事によって生活保護受給ラインをギリギリ上回ったことによって生活保護が廃止となってしまいました。
糖尿病でインスリン療法を行っているため毎月1万円を超える医療費の支払いが発生し、生活保護受給中よりも生活が厳しくなっていました。
初回相談の直前に年金の支給がありましたが、家賃等の支払いによって受診時には手持ちが数千円しか残っていない状況になっていました。
生活の立て直し及び公的制度適用の可能性を探る事を目的として無料低額診療事業の申請に至りました。
制度申請後に精査を進めて、糖尿病神経障害による下肢の機能障害として身体障がい者手帳を取得されました。
60歳代の独居男性の事例です。
新聞の営業職に従事していましたが、コロナ禍の影響により20万円/月程度だった収入が5万円/月に減少してしまいました。
民間の生命保険に加入されていましたが、支払い不能となり契約解除になってしまいました。
病院と薬局の窓口負担金の支払いも滞るようになって、本制度の利用が可能かを相談するために来院されました。
経済的理由による受診中断の可能性があるため、治療継続を目的として申請に至りました。
70歳代女性の事例です。
年金と飲食店収入で生計を立てていましたが、コロナ禍の影響によって客足が途絶え、生活困窮に陥りました。
主治医から入院治療を勧められましたが、経済的な理由で保留となっていました。
外来受診日に経済的困難事例として主治医より介入依頼があり申請に至りました。
制度申請後に精査を進めています。